情報漏えいやサイバー攻撃のリスクが高まる現代、企業にとって情報セキュリティの体制整備は喫緊の課題となっています。その中で注目されているのが「ISMS(Information Security Management System)」です。
本記事では、ISMSの基本的な意味から、Pマークなど他のセキュリティ規格との違い、活用メリットまでを初心者にもわかりやすく解説します。
ISMSとは?意味と目的をわかりやすく解説
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)とは、企業が情報セキュリティを継続的に管理・改善していくための体制や仕組みのことです。
ISMSは、単なる技術的対策にとどまらず、企業全体で取り組むセキュリティのマネジメントシステムで、以下の3要素が基本原則として掲げられています。
- 機密性:許可された人だけが情報にアクセスできる
- 完全性:情報が正確で改ざんされていない状態を保つ
- 可用性:必要なときに情報にアクセスできる状態が確保されている
ISMSと他セキュリティ規格との違い
ISMSと混同されがちな他の情報セキュリティ関連規格との違いを、以下の表で整理します。
用語 | 特徴 | ISMSとの違い |
---|---|---|
Pマーク | 個人情報保護に特化 | ISMSは個人情報を含む情報資産全体 |
CSMS | 制御システム向けの規格 | ISMSは企業全体を対象 |
ISO 27017 | クラウドセキュリティ特化 | ISMSは汎用的な基礎規格 |
ISMS導入の主なメリット
ISMSを導入することによって、企業は次のようなメリットを享受できます。
- 顧客や取引先からの信頼獲得
- 情報漏えい・損失リスクの低減
- コンプライアンス(法令順守)体制の整備
- 社内のセキュリティ意識向上
ISMSの導入ステップ(簡易版)
ISMS認証を取得するには、以下のようなステップが必要です。
- 情報資産の棚卸とリスク分析
- 情報セキュリティ方針の策定
- 社内教育・運用体制の構築
- 内部監査と見直し
- 外部審査機関による審査・認証取得
まとめ
ISMSは単なるセキュリティ対策ではなく、組織全体で情報資産を守るための管理体系です。企業の規模や業種にかかわらず、今後のセキュリティ対策の基礎として導入を検討すべき重要な仕組みといえるでしょう。
今後も、企業のIT担当者の方々が「本当に知りたい」「すぐに使える」情報をお届けしてまいります!
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